読書会の記録

「健康三題」岡本かの子

開催日:2022年11月26日(日)
会場:府中市民協働まつり会場内ブース

 

 

【あらすじ
はつ湯
女流作家の「私」が温泉宿で大晦日に原稿を書き上げ、初湯につかっていると、富裕な両親に連れられて温泉巡りをしているという若い娘が胸をペチャペチャ叩かせてくれとせがんできた。娘は「私」の生気に触れたがっている。「私」は胸を出してやった。

ゆき子へ
ハネムーン中に高原から手紙をよこすなんて、どうかしてるよ。親に頼まれたから一時そばにおいてやったけれど、それはあなたがいかにも貧弱だったからで、もう元気になって結婚までしたのだから。私が孤独で寂しいだろうからと同情するなんて、よしてくれ。私は自分の生命力をはっきり意識しつつ好んで自分を孤独に置くのだから。

春の浜別荘
「私」は温泉滞在中に知り合った夫婦から、海辺の別荘で娘と一緒に暮らしてくれと頼まれた。虚弱体質の娘を元気にしたいという。見るからに生気のない娘で、まともに恋ができるかと心細げだったが、舞踊体操で鍛えた筋肉質の「私」から生気を吸い込み、3年ほど後には、結婚して子供もできて健康に暮らしている。

【読書会で出た感想(後から送られた感想も含みます)】
👩 作者の岡本かの子が岡本太郎の母親だとは知らなかった。読書会で解説が聞けて良かったです。
👧 何が言いたいのか、よくわかりませんでした。
👩‍🦱 ずいぶん昔に書かれた小説なのに、おしゃれでモダンな感じですね。
👩 ぶっきらぼうな性格のインテリ女、そして彼女を「おねえさま」と慕う娘。短い物語ですが宝塚的なロマンを感じさせます。でも文章はむしろアンチ・ロマン。「健康三題」という素っ気ないタイトルも何だか人を食っているようで、魅かれます。